F氏、流石。

今回の章は緩和時間近似を見直し、量子力学的なアプローチによる衝突現象の記述など。
十分議論する時間をとりながらも、目安で設定されている3時間を切るという偉業。resumeがうまく纏まっているのも、その秘訣なんだと思う。

内容のmemo

transition amplitudeを持ち出し、(分布関数を使って)パウリの排他律に注意しながら定式化を進める。
また、衝突による2つの効果、『非平衡状態を平衡状態に近づける』『平衡状態を維持する』を取り入れる。分布関数の時間発展(時間変化)を記述した方程式---Boltzmann方程式---を用いて計算してゆく。

卒論テーマ??

Boltzmann方程式は(半)古典論的な方程式である:\frac{\partial g}{\partial t}+{\bf v}\cdot \frac{\partial g}{\partial \mathbf r}+{\bf F}\cdot \frac{1}{\hbar}\frac{\partial g}{\partial \mathbf k}=\bigg(\frac{\partial g}{\partial t}{\bigg)}_{\textrm coll}
量子力学的な分布関数の変化を記述した方程式はまだ存在しない、はず、知らないだけかも。しかし、そろそろこうした研究もしなければならないと、S先生が教えてくれた。というのも、これまでは電子を粒子として捉えた場合でうまく説明できていたが、最近のデバイスはどんどん小さくなってきていて、限界が近いのでは??とおっしゃっていた。
ということは、量子論的Boltzmann方程式が完成したら実験家より先に面白い現象を予測できるかもしれない。

事の成り行きでこれが私の卒論テーマ候補になった。とはいえ、確実に卒論レベルのテーマではなさそうである。

軸対称性と1-\cos\thetaという因子

ボルン近似の時、分母に1-\cos\thetaの二乗という因子が出てくる。この因子はある軸まわりに軸対称の構造があると登場するようだ。他の例ではまだ確かめてないのでまだ確実性はない